「今年の夏の電気代、どうなるんだろう…」「冷房は28℃がいいって聞くけど、正直ちょっと暑い…」
毎年夏になると、エアコンの設定温度で悩んでいませんか?特に、日中お家にいる時間が長い方や、小さなお子様がいるご家庭では、電気代と快適性の両立は切実な問題ですよね。
暑がりのご主人は「もっと下げて!」、でも自分は冷え性だから寒い。子どもは寝ている間に布団を蹴飛ばして、寝冷えしないか心配…。そんなご家庭ごとの「設定温度バトル」や「尽きない悩み」を、この記事がスッキリ解決します。
実は、多くの人が信じている「冷房の設定温度は28℃」という常識、少し誤解があるかもしれません。
この記事では、環境省などの公的データに基づいた「本当の快適さの作り方」から、今すぐ実践できる具体的な節約術、さらには「赤ちゃん」「ペット」「睡眠時」といったシーン別の最適な使い方まで、専門家の知見を交えて徹底的に解説します。
この記事を読めば、もう設定温度の数字に一喜一憂することはありません。電気代の不安から解放され、ご家族みんなが「ちょうどいいね!」と言ってくれる、そんな快適な夏を手に入れましょう。
- 28℃設定は正解ではなく「室温28℃」が快適目安
- 快適さは「室温・湿度・気流」の3つのバランスがカギ
- 節電には“自動運転”と“サーキュレーター併用”が有効
- 赤ちゃんや高齢者には、室温・風向・服装の配慮が不可欠
- 「つけっぱなし」も条件次第で節約になることがある
「冷房は28℃がいい」とよく聞きますが、これは“設定温度”ではなく“室温の目安”です。実際には、部屋の構造や湿度によって感じ方が変わるため、数字にこだわるよりも「室温・湿度・気流」のバランスが大切です。記事では、プロが実践する節電テクニックや、赤ちゃん・高齢者・ペットのいる家庭ごとの最適なエアコンの使い方を詳しく解説しています。節約と快適さを両立するポイントを知ることで、夏のエアコンにまつわる悩みから解放され、家族全員が心地よく過ごせる夏が実現できます。
【結論】「冷房の設定温度28℃」の大きな誤解とは?

多くの人が「節電のために冷房は28℃設定にすべき」と耳にしたことがあるでしょう。しかし、これは正確には「室温を28℃に保つことを推奨する」という意味です。エアコンの「設定温度」を28℃にすれば、必ずしも室温が28℃になるとは限りません。建物の断熱性や日当たり、人の多さなどによって、室内の温度は大きく変わるためです。
大切なのは、設定温度という数字に縛られることではなく、「室温」「湿度」「気流」という3つの要素をコントロールして、自分たちが本当に快適だと感じる空間を作ることです。
快適さの鍵は「室温」「湿度」「気流」の3要素
体感温度は、室温だけでなく湿度や風の有無によって大きく左右されます。例えば、同じ室温28℃でも、湿度が高ければジメジメと蒸し暑く感じ、逆に湿度が低く、そよ風があればカラッと涼しく感じます。この3つの要素を理解することが、快適さと節約を両立させる第一歩です。
要素 | 快適な目安 | コントロール方法 |
---|---|---|
室温 | 25℃~28℃ | エアコンの設定温度、遮光カーテン、断熱シート |
湿度 | 40%~60% | エアコンの除湿機能、除湿機、加湿器 |
気流 | 0.5m/s程度のそよ風 | サーキュレーター、扇風機、エアコンの風向設定 |
なぜ湿度が高いと暑く感じるのか?
私たちの体は汗をかくことで体温を調節しています。汗が蒸発する際に体の熱を奪う「気化熱」によって、涼しさを感じるのです。しかし、湿度が高いと空気中の水分量が多いため、汗が蒸発しにくくなります。その結果、気化熱による体温調節がうまく機能せず、実際の温度以上に暑く感じてしまうのです。
そのため、室温を下げることばかりに目を向けるのではなく、湿度を40%〜60%の快適な範囲に保つことが非常に重要です。除湿機能をうまく活用すれば、設定温度が多少高くても、体感的にはずっと快適に過ごせます。

28℃という数字にとらわれず、室内の環境全体を見て調整しましょう。湿度が低ければ28℃でも快適です。湿度は除湿機能や扇風機で調整し、涼しさを“風”でも作るのがコツ。湿度計があると安心です。
- 「設定温度」と「室温」はイコールではない
- 快適性は断熱性や湿度にも影響される。湿度が高いと汗が蒸発しづらく不快感が増す
- 数字ではなく“体感”を重視した空調管理が正解。「体感温度」は単なる温度以上の複合的感覚


【節約編】プロが実践する!電気代を劇的に下げる賢い冷房術7選


夏の電気代請求に頭を悩ませる日々とはお別れです。ここでは、少しの工夫で大きな節約効果が期待できる、プロも実践する7つのテクニックをご紹介します。
1. 「自動運転」こそが最強の節電モード
「弱風の方が電気代が安そう」と思っていませんか?実は、最も効率的なのが「自動運転」です。自動運転は、部屋が冷えるまでは強風で一気に目標温度まで下げ、その後は微風で室温をキープするように、最も効率の良い運転を自動で選択してくれます。こまめにオンオフを繰り返したり、常に弱風で長時間運転したりするよりも、結果的に消費電力を抑えられるのです。
2. サーキュレーター併用で体感温度を-2℃
冷たい空気は下に溜まる性質があります。そこで役立つのがサーキュレーターや扇風機です。エアコンと併用して室内の空気を循環させることで、部屋全体の温度ムラをなくし、効率的に涼しくできます。
おすすめの置き方は、エアコンの対角線上にサーキュレーターを置き、エアコンに向けて風を送る方法です。これにより、エアコンから出た冷気が部屋全体に行き渡り、体感温度が2〜3℃下がるとも言われています。設定温度を1℃上げると約13%の節電になるため、サーキュレーターの併用は非常に効果的です。
3. 月2回のフィルター掃除で年間数千円の差


エアコンのフィルターは、室内のホコリやゴミをキャッチする重要なパーツです。ここが目詰まりすると、空気の吸い込み効率が悪くなり、余計な電力を消費してしまいます。フィルター掃除は2週間に1回を目安に行いましょう。掃除機でホコリを吸い取るだけでも十分です。これだけで、冷房効率が改善し、約5%〜10%の節電効果が期待できます。
4. 室外機の環境整備で効率アップ
意外と見落としがちなのが室外機の存在です。室外機は室内の熱を外に逃がす役割を担っています。室外機の吹き出し口の前に物を置いたり、雑草が覆いかぶさっていたりすると、熱交換の効率が落ち、無駄な電力を使ってしまいます。室外機の周りは常にスッキリさせ、直射日光が当たる場合は「すだれ」などで日陰を作ってあげるのも効果的です。
5. 窓からの熱をシャットアウトする工夫
夏の室内が暑くなる最大の原因は、窓から差し込む日差しです。遮光カーテンやブラインド、すだれなどを活用して、日中の直射日光を遮るだけで、室温の上昇を大幅に防ぐことができます。これにより、エアコンの負担が軽減され、冷房効率が格段にアップします。断熱シートを窓に貼るのも非常に効果的です。
6. 「冷房」と「除湿(ドライ)」の賢い使い分け
エアコンの「除湿(ドライ)」機能、正しく使えていますか?除湿には種類があり、電気代も異なります。
機能 | 特徴 | 電気代 | おすすめのシーン |
---|---|---|---|
冷房 | 室温を強力に下げることを最優先 | 中 | とにかく暑い日、早く部屋を涼しくしたい時 |
弱冷房除湿 | 弱い冷房運転で、室温も少し下げつつ湿度を取る | 安い | 梅雨時など、気温は高くないがジメジメする時 |
再熱除湿 | 湿気を含んだ空気を冷やして除湿後、暖め直してから室内に戻す | 高い | 部屋を冷やしたくないが、湿度だけ下げたい時(洗濯物の部屋干しなど) |
気温も湿度も高い真夏日は「冷房」、ジメジメする梅雨時は「弱冷房除湿」と使い分けるのが、快適さと節約を両立させるコツです。
7. 「つけっぱなし」と「こまめに消す」はどちらがお得?
「30分程度の外出なら、つけっぱなしの方がお得」という話を聞いたことはありませんか?これは、エアコンが最も電力を消費するのが、電源を入れてから室温を設定温度まで下げる時だからです。
そのため、室温が上がりきらない短時間(目安として30分~1時間程度)の外出であれば、つけっぱなしの方が再起動時の消費電力がかからず、結果的に安くなる場合があります。一方で、長時間の外出の場合は、当然ですが消した方が節約になります。



冷房は“強弱”より“自動”が◎。窓の遮熱対策とフィルター掃除だけでも大きな節電につながります。
- 「自動運転」は効率的で結果的に節電に
- フィルター掃除で冷房効率が10%改善
- 窓からの熱遮断が冷房効率を大きく左右する


【お悩み別】我が家の最適解!シーン別エアコン活用術


ご家庭のライフスタイルや家族構成によって、エアコンの最適な使い方は変わってきます。ここでは、よくあるお悩み別に具体的な解決策を解説します。
夜、寝るときの最適な設定は?快眠と節電の両立ワザ


夏の夜、暑くて寝付けなかったり、逆に冷えすぎて夜中に目が覚めてしまったりすることはありませんか?質の高い睡眠のためには、寝室の環境づくりが重要です。
おやすみモード(スリープ運転)を活用する
多くのエアコンに搭載されている「おやすみモード」は、快適な睡眠をサポートするための機能です。このモードでは、運転開始から数時間かけて、設定温度を自動で少しずつ(0.5℃~1℃程度)上げていきます。これは、就寝後に体温が低下することに合わせて室温を調整し、体が冷えすぎるのを防ぐためです。風量も自動で弱くなるため、音も静かになり、快適な眠りに繋がります。
タイマーは「3時間後」が目安
一晩中つけっぱなしに抵抗がある場合は、タイマー機能を活用しましょう。入眠時に最も体温が下がりやすいため、寝付いてから約3時間後にオフになるように設定するのがおすすめです。これにより、最も深い眠りに入る時間帯の快適さを確保しつつ、朝方の冷えすぎを防ぎ、節電にも繋がります。ただし、熱帯夜で室温が再び上昇する場合は、無理せずつけっぱなしにするか、起床前に再度運転するようタイマーを設定するなどの工夫が必要です。



就寝3時間後にタイマーOFF設定にすると、快眠と節電のバランスがとれます。
- スリープモードは温度と風量を調整してくれる
- 深夜の冷え過ぎ防止にはタイマー設定が効果的
- 熱帯夜は無理に切らず、朝方再起動がおすすめ
赤ちゃん・子供がいる家庭の注意点


赤ちゃんや小さなお子様は、大人よりも体温調節機能が未熟です。快適な環境を大人が作ってあげる必要があります。
室温は26~28℃、湿度は50~60%が鉄則
赤ちゃんがいる部屋の快適な環境の目安は、夏場で室温26℃〜28℃、湿度50%〜60%です。ただし、外気温との差が大きすぎると体に負担がかかるため、外との温度差は5℃以内に留めるように心がけましょう。温湿度計を赤ちゃんのいる場所の近くに置いて、常にチェックする習慣をつけることが大切です。
風は絶対に直接当てない!
エアコンの風が赤ちゃんの体に直接当たると、体温を奪われすぎて体調を崩す原因になります。風向は必ず水平か上向きに設定し、優しい気流を作るようにしましょう。スイング機能を使う際も、風が赤ちゃんに当たらないか確認してください。サーキュレーターを使って間接的に空気を循環させるのも非常に有効です。
服装と汗のチェックをこまめに
赤ちゃんは汗っかきです。背中やお腹を触って、汗をかいていないかこまめにチェックしましょう。汗をかいていたら、あせもの原因になるのですぐに着替えさせてあげてください。服装は、室温に合わせて薄手の肌着やパジャマで調節します。寝る時には、お腹が冷えないように腹巻付きのパジャマなどもおすすめです。



温湿度計を設置し、赤ちゃんの肌や汗をこまめにチェックしてあげてください。風の流れにもひと工夫を。
- 赤ちゃんの体温調整は未発達なので室温26〜28℃が理想
- 湿度は50〜60%をキープ
- 直接風が当たらないように風向きは要注意
大切なペット(犬・猫)のための快適な室温管理


犬や猫も人間と同じように熱中症になります。特に、毛皮で覆われている彼らは人間よりも暑さに弱いため、夏場の室温管理は命に関わる重要な問題です。
留守番中はエアコンつけっぱなしが基本
飼い主さんが外出する際は、ペットのためにエアコンをつけっぱなしにするのが基本です。特に日中、締め切った室内は想像以上に高温になります。犬や猫が快適に過ごせる温度は、一般的に25℃〜28℃と言われています。タイマーで切ってしまうと、その後に室温が急上昇して熱中症になる危険があるため、必ずつけっぱなしで外出しましょう。
ペットの種類や年齢に合わせた配慮を
犬種(特に短頭種や北国原産の犬)や猫種、年齢、持病などによって、快適な温度は異なります。例えば、シベリアンハスキーのような寒さに強い犬種も日本の夏は苦手ですし、高齢のペットは体温調節機能が衰えています。ペットがいつでも自分で涼しい場所や暖かい場所に移動できるよう、部屋のドアを少し開けておくなどの工夫も有効です。



ペットは逃げ場がないので、外出時はエアコンを切らずに出かけましょう。涼しい居場所を確保して。
- ペットも熱中症のリスクが高い
- 室温25~28℃が安心ゾーン
- 留守番中のエアコンは“つけっぱなし”が基本
高齢者がいる家庭で見落としがちな危険


高齢になると、体温を調節する機能が低下し、暑さや寒さを感じにくくなることがあります。「まだ大丈夫」と我慢してしまい、知らず知らずのうちに熱中症になってしまうケースが少なくありません。
我慢は禁物!周りが積極的に声かけを
本人が「暑くない」と言っていても、室温や湿度が高い場合は、周りの家族が積極的にエアコンの使用を促すことが大切です。室温は28℃以下を目安に、本人が快適だと感じる温度に設定してあげましょう。冷えが気になる場合は、設定温度を無理に下げるのではなく、ひざ掛けや靴下などで調整するのがおすすめです。



「暑くない?」と優しく声をかけながら、快適な室温を一緒に調整していく姿勢が大切です。
- 高齢者は暑さを感じにくく、熱中症になりやすい
- 冷房より「声かけ」が大事
- 冷えすぎ対策には服装やひざ掛けで調整を
在宅ワークを快適にするエアコン活用法


自宅での仕事中、足元だけが冷えたり、頭がぼーっとしたりすることはありませんか?集中力を維持するためにも、エアコンの使い方は重要です。
サーキュレーターで足元の冷えを解消
長時間座って作業していると、冷たい空気が足元に溜まり、冷えの原因になります。これを解消するのがサーキュレーターです。デスクの近くに置き、空気を循環させるように使うと、温度ムラがなくなり快適性が向上します。風を直接体に当てるのではなく、壁や天井に向けて気流を作るのがポイントです。
定期的な換気で集中力アップ
締め切った部屋で長時間過ごすと、二酸化炭素濃度が上昇し、眠気や集中力の低下を招きます。エアコン使用中であっても、1〜2時間に1回は窓を開けて数分間の換気をしましょう。新鮮な空気を取り込むことで、頭がスッキリし、仕事の効率も上がります。



仕事中は足元と頭の温度差に注目。換気をすると集中力が持続しやすくなります。
- 足元の冷えは集中力低下の原因に
- サーキュレーターで気流を均等にすると効果的
- 定期的な換気で頭もリフレッシュ
🏠 家族構成別おすすめ暖房診断
冷房の設定温度に関するQ&A


冷房の設定温度は何度が良いですか?
冷房の設定温度は、一般的には26〜28度がちょうど良いとされています。
28度は省エネの観点で推奨されていて、冷やしすぎを防ぎ、体にもやさしい温度です。ただし、湿度が高かったり、直射日光が差し込む部屋では、28度でも暑く感じることがあります。そういう場合は、26〜27度に設定し、扇風機やサーキュレーターを併用すると快適さが増します。
冷房は温度だけでなく、風量や除湿モードとのバランスも重要です。「暑くないけど冷えすぎない」状態を作ることが理想的です。体感温度は人によって違うので、自分にとって快適と感じる温度を見つけるのが大切です。
夏はエアコンの温度を何度にしたらいいですか?
夏のエアコンの設定温度は、一般的に26〜28度が目安とされています。
28度は省エネ効果が高く、環境省なども推奨していますが、人によっては暑く感じることもあるため、26〜27度に下げて快適さを保つのもOKです。ポイントは「冷やしすぎず、無理せず快適に過ごせる温度にすること」です。
また、設定温度を高めにしても、扇風機やサーキュレーターを併用することで、体感温度を下げることができます。カーテンやブラインドで直射日光を防いだり、湿度を下げるだけでも涼しさはかなり変わります。
つまり、無理に「何度が正解」と決めるよりも、自分の体調と部屋の環境に合わせて調整するのが一番おすすめです。
冷房28度は暑いですか?
冷房を28度に設定すると、人によっては「暑い」と感じることがあります。これは、単純に温度の数字だけでなく、湿度・風の流れ・日射・体質などが関係するためです。
たとえば、湿度が高いままだと体感温度が上がるので、28度でも蒸し暑く感じます。また、風が当たらなければ汗が蒸発しにくく、涼しさを感じにくくなります。さらに、直射日光が入る部屋や機器からの熱がある環境では、体感的に30度近くに感じることもあります。
一方で、扇風機やサーキュレーターを併用すれば涼しく感じることも可能で、慣れている人や暑がりでない人には快適と感じられることもあります。
冷房28度、暖房20度は節電になりますか?
はい、冷房を28度・暖房を20度に設定するのは、一般的に節電に効果的な設定とされています。
冷房28度は、エアコンの負荷を抑えて必要以上に冷やしすぎるのを防ぐため、電力消費を抑えつつ体感的にも快適さを維持しやすい温度です。サーキュレーターや扇風機を併用すれば、より涼しさを感じやすくなり、さらに節電効果が高まります。
一方、暖房20度は少し低めの設定ですが、着るもので調節したり、加湿や断熱を意識すれば寒さを感じにくくなり、暖房の消費電力を大きく削減できます。暖房は冷房より電気を多く使うため、設定温度を1度下げるだけでも効果的です。
つまり、「冷房28度・暖房20度」は、エアコンを効率的に使って電気代を節約するための理想的な目安として、多くの自治体や省エネ団体が推奨している温度です。
暖房を28度にしても寒いのはなぜ?
暖房を28度に設定しているのに寒く感じるのは、実際の部屋の温度が28度に達していないか、体感温度が低くなっているからです。
まず、エアコンの温度設定は「目標温度」であり、部屋のすべての場所がその温度になるわけではありません。特に暖かい空気は天井付近にたまりやすく、床や足元は冷えたままのことが多いです。そのため、部屋の上のほうは暖かくても、体の感じ方としては寒くなるのです。
また、断熱性が低い部屋だと、せっかく温めた空気が窓や壁から逃げてしまいます。さらに、湿度が低いと空気が乾燥して体感温度が下がりやすくなるため、同じ温度でも寒く感じます。
そして、冷え性の人や体調がすぐれないときも、通常より寒さを感じやすくなります。暖房だけに頼らず、加湿器や床暖房、厚手のカーテンなども活用することで、体感温度を上げることができます。
冷房を28度に設定すると電気代はいくらですか?
冷房を28度に設定した場合、電気代はエアコンの性能や使い方によって異なりますが、1時間あたり5円〜15円程度が目安です。
たとえば、一般的な6畳用の家庭用エアコン(省エネタイプ)であれば、
- 28度設定は冷房の負荷が少ないため、消費電力が300〜500W程度で済むことが多く、
- 電気料金が1kWhあたり約30円とすると、
0.3kW × 30円 = 約9円/時
0.5kW × 30円 = 約15円/時
つまり、1日8時間使用しても100円前後、1か月で3,000円以内に収まるケースが多いです。
28度は冷房の中でも比較的「省エネな設定温度」なので、体感温度を下げたい場合は扇風機やサーキュレーターを併用すると、電気代を抑えつつ快適さも維持できます。
冷房が26度でも暑いと感じるのはなぜですか?
冷房を26度に設定していても暑く感じるのは、温度だけでなく湿度や空気の流れ、体調の影響などが関係しているからです。
まず、湿度が高いと体感温度も高く感じるため、室温が26度でもムシムシして汗が引かず不快になります。また、風が当たらないと汗が蒸発しにくく、涼しさを感じにくいです。
さらに、部屋の構造や直射日光、熱を持つ家電の影響などで、実際の室温がエアコンの設定より高くなっていることもあります。エアコンのセンサーは本体の位置周辺の温度しか見ていないため、部屋全体が冷えていないことも多いです。
また、体が冷えにくい体質や暑がりの人だと、同じ温度でも他人より暑く感じやすいです。冷えすぎを避けるための「省エネ運転」になっていると冷房の効きも控えめになります。
暖房20度で24時間つけっぱなしにしたら電気代はいくらですか?
暖房を20度に設定して24時間つけっぱなしにした場合、エアコンの性能や部屋の断熱性によって変わりますが、おおよそ1日あたり500円〜1,000円程度の電気代がかかると考えておくとよいです。
たとえば、一般的な6畳〜8畳用の家庭用エアコン(消費電力:500〜1,000W程度)を使っていると、外気温が低い冬はフル稼働になりやすく、消費電力も上がります。
電気料金単価が1kWhあたり30円と仮定すると、
- 消費電力700W → 0.7kW × 24時間 × 30円 ≒ 504円/日
- 消費電力1,200W → 1.2kW × 24時間 × 30円 ≒ 864円/日
これが1か月毎日続くと、15,000〜30,000円程度の電気代になることもあります。
もし節電したいなら、こまめなオンオフよりも「断熱対策」や「風向・風量設定」などを見直す方が効果的です。
冬の冷房は何度にしたらいいですか?
冬に「冷房」を使うことはほとんどなく、基本的には「暖房」を使用します。ただし、もし室内の湿気や結露を抑える目的で冷房(または除湿)を使いたい場合は、18〜20度程度に設定するのが一般的です。
これは、冬の外気温より少し高めにしておくことで、室内の空気を乾燥させすぎず、かつ必要以上に冷やしすぎないようにするためです。
ただし、冷房を冬に使うと、
- エアコンが霜取り運転を始めて効率が下がる
- 室温が不快なほど下がってしまう
といったデメリットがあるので、基本的には冬の冷房運転はあまり推奨されません。
湿気やカビ対策で冷房を使いたいなら、短時間・弱めの除湿運転のほうが安心です。
冷房28度と除湿28度ではどちらがよいですか?
冷房28度と除湿28度では、快適さと電気代のバランスによって「どちらがよいか」が変わります。
まず、暑さをしっかり抑えたいときは冷房が向いています。冷房は設定温度まで一気に下げる力があるので、部屋の温度を確実に下げたい場合には冷房28度が快適です。
一方、湿度が高くてジメジメしているときには除湿のほうが有効です。たとえ気温が同じでも、湿度が下がるだけで体感温度は下がり、蒸し暑さが和らぎます。特に夜間や曇りの日など、気温はそれほど高くないけれどムシムシする日は、除湿の方が電気代も抑えられておすすめです。
ただし、除湿には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があり、再熱除湿は意外と電気を使うため、設定によっては冷房より高くなることもあります。
冷房の設定温度まとめ


夏のエアコン問題は、「設定温度28℃」という数字に縛られることから卒業し、「室温」「湿度」「気流」の3つの要素をコントロールするという視点を持つことで解決します。
- 快適さの基本: 室温25〜28℃、湿度40〜60%を目指す。
- 節約の王道: 「自動運転」と「サーキュレーターの併用」を徹底する。
- 家族への配慮: 赤ちゃんやペット、高齢者には特に気を配り、風向きや服装で細やかに調整する。
- 賢い使い方: 就寝時は「おやすみモード」や3時間タイマーを活用し、シーンに応じて「冷房」と「除湿」を使い分ける。
この記事で紹介した知識とテクニックを活かせば、もう電気代の請求書に怯える必要はありません。ご家族一人ひとりの「快適」を叶え、健康で心地よい夏をお過ごしください。
https://panasonic.jp/life/air/170083.html
https://eneonedenki.net/topics/2485
https://www.japanet.co.jp/shopping/aircon/aircon_set.html